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DRIVING TEST 〜茨のデスロード〜

最終更新: 2018年8月28日

2015.10.10 DRIVING TEST 〜茨のデスロード〜

ご無沙汰してます、鳥海です!

気がつけば早くも新学期4週目が終わってましたが、今日はちょっと学校とは関係のない話、カリフォルニアでのサバイバルに欠かせない車の話をしたいと思います。


結果を先に言えば、先日カリフォルニアの運転免許を取ってきたんですよ!

しかしここまで辿り着くのに結構な気苦労と多くの人の助けを要しまして、おそらくこれからカリフォルニアに来て運転免許を取らんとする誰もが乗り越えていく茨の道だと思われるので、こんな奴でも受かりましたよと、少しでも道を通りやすく感じて欲しいという思いで綴っております。ちなみに詳しい書類や交通ルール注意点などについては丁寧で面白おかしいブログが世にたくさんありますのでそちらを参考になさってください。ハッキリ言って私の話は本当に慰め程度にしかなりませんので、悪しからず。


まずですね、カリフォルニアは車なしでは生きていけない土地であることは去年の私の修行僧の如き生活ぶりからお察しいただけるでしょうが、留学生が運転するにはどうしたらいいかというと、こちらで一から免許を取らないといけないんです。DMV(Department of Motor Vehicles)と呼ばれる施設に行かないといけないんです。運転試験上券日本の免許、国際免許、どれも全く役に立ちません。というのは、国際免許はあくまで商業、旅行者用なので、こっちに腰据えて勉強に来るつもりの学生(学生ビザで入国している人間)についてはちゃんと州の認める免許を取らないと運転させてやらねえよと。なので筆記テストと実技テスト、両方受けないと行けないんです。申し訳程度に渡米後10日間だけ学生も国際免許で運転することが許されているのですが、そんなの焼け石に水の温情ですし、さらにひどいんですよ、カリフォルニア州は!!在米の方のブログを読んでいて、

「国際免許を持っていれば、筆記テスト受かるとPermit(免許持ってる同乗者がいないと運転できない)じゃなくてTemporary(2ヶ月間だけ一人でも運転できる)がもらえる」

と書いてあったので、それを信じて筆記テストを受けたのですが、合格して渡されたのはただのPermit。念を押して聞いてみたら、最近また一段と規制が厳しくなったようで、2015年現在、もう国際免許保持者にはTemporaryを渡していないんだそうです。つまり国際免許を持っているメリットはほぼゼロ

しかし私は車買っちゃったんです。だからもう意地でも本免許を取るしか無いということで、こちらに到着してから1ヶ月、肩身の狭い思いをしながら、私の血と冷や汗の滲む運転練習は続いたのです。


長い道のりだったうえに私の話も長いのでさっさと実技試験当日の話に進みたいのですが、筆記試験についても一応言及しておきます、ハッキリ言ってすごく簡単です。日本の教習所で講義を何回も聞いて覚えるみたいなのは一切必要なく、ぶっちゃけ私はテスト当日の午前中に初めてハンドブック開いて過去問解いてどうにかなりました。DMVの公式サイトで過去問がたくさん上がっているので、それを一通り解いて問題形式に慣れつつ、分からないところをハンドブックでおさらいする程度で十分クリアできると思います。ただ右車線である他にも、日本とは違う交通ルールがちょいちょいあるのでそれだけ気をつけてください。

それから持ち物も注意。詳しい事は他のサイトに載っているので割愛しますが、私が一苦労したのはI-94という書類。これは最終入国時の状況(ビザの種類など)が記されているもの(あくまで私の定義です)で、オンラインですぐに発行できるのですが、恥ずかしながら入国のたびに更新されるものだという認識が欠けてて古いものしか持ってきていなくて、慌てて近くのFedex Officeで新しいのを印刷して閉館ギリギリに出直すという綱渡りをやりましたので、これから受ける方は事前準備しっかりなさってください。


なんだかんだありながら筆記はクリア、Permitしかもらえなかったもののとりあえず実技テストの予約は入れられたので、来るべき勝負のために闇練を積み、実技試験当日。正午の試験の前に、テスト以前の最大の懸念事項であったregistration cardについて聞きにいくため、かつ道の最終練習のために、朝も早くからNew HallのDMVへ。はい、また新しいワードが出ました、registration card。これは車を買ったらDMVに届け出て受け取る登録証なのですが、これがまた登録しても2、3ヶ月は手元に届かないというアメリカンお役所仕事。遅いのが普通なので万が一持ってなくても「新車だ」と言えばどうにかなるとどこかのサイトに書いてあったのですが、車のInsurance Cardとコレの持参を義務づけられている以上やっぱり念のため、「今日実技テストを受ける予定なんですが、車買ったばかりでregistration cardがまだ届いてないんです。それでもテストは受けられますか」と質問。ここで切られると後がないので食い下がる気満々、必要とあれば追加で払ってやるくらいの意気込みでいたのですが、なんとあっさり「期限が切れてないなら問題ない」と一言で片付けられました。拍子抜けしたものの一安心。家に戻って車の掃除をしながら時間を待って、とうとう正午、今回付き添いで来てくれる友達と一緒に再びDMVに向いました。


受験者用窓口でregistration cardの件を説明するとあっさりOK。そしてやはり「付き添いの免許保持者は?」とも聞かれました。その子が免許を提示すればこれもまたあっさりOK。そうして手続きは事も無く進み、じゃあ車を受験者レーンにつけて待ってなさい、とついに秒読み段階。 レーンには他にも受験者が何台か止まっていて、順番が来るとまず運転前の確認を停車した状態でやります。手信号したり各装置の場所の確認とかなので、ここは事前に質問事項と自分の車の各装置の場所さえ分かっていれば難なくクリアできます。そしてついに私の番に。試験官は白髪のおじいさんで、毎日延々とこれをやってるんだろうなという事が伝わってくるくたびれた声色で点検をして、いざ運転開始しました。


New HallのDMVは西側に出れば大通りになっていますが、東側は坂の多い住宅街。そしてネットで誰かがアップしていた試験のルートとは案の定違う角で曲がるよう言われ、これはもうとにかく運転に専念するしかないと腹を決めていたら、

「Turn right, MIGI」

ん?今もしかして“ミギ”って言った…?

早々に余計なクエスチョンマークが頭に浮かび始めた私をよそにおじさんはワンテンポ遅めな方向指示を「Then turn left, HIDARI」「Go strait, MASSUGU」と次々に繰り出してきます。やっぱりだ、このおじさん日本語で指示出してくれてるよ(笑)助手席から聴こえる奇妙な日本語にちょっと緊張もほぐれかけた序盤、ごちゃごちゃした住宅街の三叉路にさしかかりました。その急な角度に早くも嫌な予感がしていたんです、ここで右折とか言われたくないなと。

「MIGI」

無情にも右折だったので周囲を気にしながら曲がり始めます。そして慎重にハンドルを切った0.5秒後、ハッとして道路を見たら、


あれ、もしかして対向車線に入ってる…?


おじさんの妙な日本語に喚起されたのか、まさかこんな肝心なときに左車線の日本人気質が目覚めるなんて... (単に緊張とハンドルさばきが弱いだけのペーパードライバー) すぐに右車線に戻ったので大事には至りませんでしたが流石におじさんも「Are you ok?」と本気で聞いてくる状況。


落ちた…。


嗚呼、こんなにあっさり落ちた…この一ヶ月の準備と苦労が全て水の泡…親になんて言おう…また友達に付き添いで来てもらわないといけない…暗い未来図が次々に頭をよぎりました。

一応こちらの運転テストの採点のされ方を説明しておくと、細かい減点は合計15個まで許されるのですが、致命的なミスはcritical errorということでひとつでもやらかせば一発アウトになります。事前にその犯しちゃいけない禁忌のリストを何度も読み込んでいたのですが、流石に反対車線にはみ出すのはリストに載せるまでもない愚行でしょうから、しかも試験官に大丈夫かって聞かれちゃったし、もうこれは落第決定だと。


わずかな希望さえ抱く気にもならず、仏面のような静けさでその後15分くらい、言われるがままに運転し続けました。散々練習を積んだ西側はほとんど掠らず、初めて通る東の坂の多い住宅街を縫うように走っていましたがもはや緊張すらせず、黙って路肩に止めて、バックして、また発進。そうしてやっとDMVに戻り、判決の時。もちろん開口一番あのはみ出した右折について危ないよって諭され、返す言葉もなく頷いてますと、やる気無さげに評価シートを返され、

「Okay, you passed」


あ、どうも…え?…受かったんですか?

「そうだけど」

わたし受かったんですか!!!?

「変えてほしいってんなら変えるよ」

いやいやいや良いですThank you so much!!

「はいはい、アリガト」

お、おお、はい!アリガトウゴザイマス!!!


なんとこうして、100パー諦めた一発合格を果たしてしまったのです。結果、反対車線にはみ出たのはハンドル操作ちょっとだけミスったくらいに受け止めてもらえたみたいで、むしろその後緊張も何もない沈殿状態で落ち着いて運転できたので逆に良かったのかもしれません…。あのやる気ないおじいさんはアジア人に理解のあるメチャクチャ良い人でした。そしてずっと待っていてくれた友達に飛びついて合格の喜びを分かち合い、とうとう手にしたTemporary licenseを手に(本物のカードは2、3週間ほどで届くそう)晴れてDMVを後にしたのでした。


それが約2週間前。今ではほぼ毎日ルームメイト乗せて学校行ったり買い出し行ったりしてます。免許取って一ヶ月未満の車に乗ってくる彼らの度胸がすごいです。


それではまた!

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