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Animation Layout

最終更新: 2018年8月28日

2015.11.13 Animation Layout

大変ご無沙汰しております、鳥海です。


うわああああもう11月も半ばですよ!!!どういうことでしょうこれは!?

二年目は楽かと思っていたらそんなことは全然なくて、課題に追われているうちにあれよあれよと11月になってしまったことに動揺と焦燥を隠しきれません。この記事だって本当は9月に載せる予定にしていたのに2ヶ月ペロッと経っちゃって、もう1ヶ月くらいしか秋学期残されてないんです!ショックです。一年目の方が課題は多かったはずなのになんであんなに色々出来てたんだろう…おそらく学校から離れて家に住み始めたからなんだろうな。前みたいに徒歩一分で教室にいける寮生活じゃないから、思っている以上に隙間時間が雑用と登下校に費やされているに違いない、じゃなきゃこの効率の悪さに説明がつかない…。


まあそんなことはどうでもいいんです、今回は真面目に授業の話をしたいと思いますよ!

二年目に入ってから、新しい授業がいくつか増えたのですが、そのひとつがAnimation Layout。 これは文字通りアニメーション制作におけるレイアウト作業の勉強をするクラスですが、そのレイアウトってなんなのかというとですね、各ショットが人物と背景込みでどういう構図になるのかという設計図…のようなものです。

『スタジオジブリ・レイアウト展 図録』より高畑勲監督の説明を引用しますと、


”各ショットに監視、絵コンテで指示された内容と構図が以後の制作行程で間違いなく画面上に達成されるために、その全体的構図、カメラアングル、人物のサイズと配置、その動きの概略、そして背景の空間的構成要素、とくに人物の動きと関連する箇所などを、実際の作画・作景とまったく同サイズの用紙上に、鉛筆画で設計すること。”


だそうです。

で、授業としては毎回与えられた課題に沿ってレイアウトを一枚仕上げてきて、それをクラスで講評し合い、また次のレクチャーに進むというものなのですが、このレイアウト一枚仕上げるのが予想外にしんどいんですよ…。なにしろ画面全部描かないといけないので、画面隅々まで描き込むイラストを毎週一枚仕上げないといけない感じですよね。それに残念な事に、本来一年目でPerspective(遠近法)の授業があるはずなんですが、私たちは担当の教授がその学期学校に来れなかったがために授業自体が省かれた不遇の世代なので、遠近法を遵守した背景を描く事に対して人一倍の劣等感があるんです…。

と、言い訳をしていても仕方が無いので苦手なりに取り組むわけですが、まずアイデアと構図決めが私の場合一番難儀で。二点透視図法でとか、Film Noirのライティングで、とか毎回技術的なお題は出されるのですが、舞台やキャラクターの設定は有り難い?ことに自由なので、どんなアングルが一番構図が活きるだろうか、どんな場所にしたらハッとする絵になるだろうか、とか、自分のあらん限りの引き出し全開で考えるわけですよ。そうやっていて気づいたのは、やっぱり一度どこかで見た事あるものしか引っ張りだせないんですね、人というのは。パクるという意味ではなくて、どこかで見かけて無意識にでも自分の引き出しに閉まっておいたものの組み合わせで自分の想像力は養われているというか。講評で皆の絵が一斉に並ぶとそれが尚更如実に分かるんですよ。やっぱりアメリカ人はそれらしい構図とテーマになっているし、私はちょっと気を抜くとすぐ日本っぽさというかアジアっぽさが出ちゃうしで。だから、旅行でも映画でも漫画でもなんでもいいからとにかく色々自分の眼に焼き付けて、自分の引き出しを増やしておかないとやっていけないなと。

しかしレイアウト自体をまだ描き慣れていないから自分の引き出しすらもよく探せない。そういうときはひたすら色々見て、付け焼き刃でもいいからアイデアをひたすら探すのみ!

ということで私のレイアウト一推し本を挙げますとね、

先ほど引用した『スタジオジブリ・レイアウト展 図録』

アニメーションレイアウトといえばまずこの本ですよね!!展示会の図録なので、もう中古じゃないと手に入りづらいかと思いますが、ジブリが作ると図録もこんなことになるのかという圧巻の量です。もう何度も見た作品でも、そのショットが鉛筆画で単純化されているとレイアウトとして改めて勉強できますし、なにより鉛筆の線がどれをとっても本当に細やかで伸びやかで美しくて、それだけで眼福です。開くたびに新しい発見があります。


それから『鉄コン筋クリート ART BOOK クロside 基礎工事編』 

先頭2冊とも私の趣味全開のラインナップになってますが私のオススメなので悪しからず。けど鉄コン信者は私だけじゃないですよ、この授業でもまさにこの本から絵をコピーしたのが資料として配られたことがあります。この本はもはや一枚一枚が絵画です、絵画。宝町の多国籍な町並みの1シーン1シーンが細密な鉛筆画で切り取られています。キャラクターすら入っていない白黒の背景が、なぜこんなに物語性に溢れて、懐かしくどこか寂しく感じるのでしょう…。


それから 『CANNABIS WORKS―田中達之作品集

こぉれも凄い。圧巻のイラスト集です。人物も建物も色も全部完璧って一体どういう事なんでしょう。それに加えて構図が洗練されていてカッコいいから、その画力の高さがさらに際立って見えるんですよね。巻末にアニメーターをやっていらした頃の二十歳くらいに描いた絵も少し載っているんですがすでに完成された画力で、見ても何の励ましにもならないです。ウソです、開くたびにインスパイアされる名画集です。


 例によってまた偏ってきたので続きは英語編。『 The Visual Story

これはレイアウトというより映像の構図全般についての本なんですが、フィルムメイキングに関わるこっちの人ならほぼ皆知ってる名著。ストーリーにも起承転結があるなら、絵だってその起承転結に合った構図であるべきだ、というセオリーを実例を以て徹底的に語っている本です。 著者のBruce Blockさんはちょうどこのあいだ大学に特別レクチャーに来てくれました。眼からウロコの教えが多すぎてレクチャー自体は起承転結というより最初から怒濤のクライマックスという情報量でしたが、シアターから出てくる頃には構図の考え方が変わってました。


あと日本での知名度は高くないんですがこっちでは不朽の名作『Prince of Egypt』のアートブック。

まだ観てない人は今すぐ観てくださいとしか言いようがないです。私の中ではシュレックを越える、Dreamworksの最高傑作として刻まれてます。というかアニメーション映画の最高傑作と言っても過言ではないです。どちらかというと大人の方がより楽しめるこんな深い映画を、幼稚園児だった私に見せて感化してくれた母に感謝してます。Whitney Houstonと Mariah Careyの歌った主題歌はうちの学科では誰もが空で歌えます。とにかく観ていただきたい一本です。逸れましたがもちろん構図も大変美しいのでそこも必見です。

課題はしんどいですが、それだけに確かに自分の引き出しとスキルが少しずつ増えていくのが実感できるクラスです。実は一番好きかもしれません。

それではまた!

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