• 海外美術留学準備コース

クリスタ!!

ご無沙汰してます〜、ギリ11月に更新します。


気づけばもう残すところ3週間になってしまったことに冷や汗と胃酸が滲みますが、同時にあと3週間で愛しき故郷に帰れると思うと浮き足立って、板挟みの心境の今日この頃です。


さて、今回はちょっとアニメーション科の話からは逸れまして、カルアーツで受ける事になる他の授業、Critical Studies 略してクリスタの話をしたいと思います。


このcritical studiesというのは分野の名前なのですが、いわゆる大学の講義のことです。毎週リーディングが出て、授業でそれについてディスカッションして、定期的に小論文を書くという感じなんですが、英語に苦手意識のある肩のために言わせてください。

カルアーツのクリスタはか な り 緩いです。

一年目の最初の頃はまだ程度が分からなかったんでエッセイ期日のたびにチューターさんに通い詰めて真剣に文章直してたのですが、今年はもー酷いです。正直高校の頃の方がまともな文章書いてたかもしれないってレベルの低空飛行なんですが、落ちなければいいんですよ

アニメーターなんで!!

英語イマイチな外国人がこの気合いでやってどうにかなってしまうんですから、どのくらいこのクリスタが緩いかお分かりいただけるでしょうか。


で、その緩さはともかくとして具体的にどんなクラスがあるのかといいますとね、


例えば去年必修で取らされたCritical Foundationクラス。

これは一年生ほぼ全員集められてシアターで講義を受けて、それについてのディスカッションをするためにまた後日小グループに分かれてセッションが行われるという形式で、アートに関する一般的な話題、ジェンダーとかインターネットとか人種問題とか扱ったんですが、最初の数週間こそ、ここは自己主張の国アメリカなんだから自分も何か発言せねばと必死になってましたが、段々別にそこまで出しゃばらなくても成績に響かないと分かってしまってからは、もっぱら慢性的に足りてない睡眠を補完する時間に使うようになってました。


あと去年は他にも”ラテンアメリカの音楽と政治”みたいなのも取りました。ソンとサルサの違いなんて耳じゃ欠片も分からないままレポートにとにかく単語並べているうちになんとか単位取りました。本当に何も思い出せない…。


今年はもうちょっとアニメーションに役に立つ内容取りたいと思って、”Introduction To Anatomy”、解剖学入門取ってみたんですよ。ちょっとはデッサンの知識の足しになるかと思ったんですけど、仕組みとか動きが云々じゃなくてとにかく暗記地獄でした。高校時代に一度は鍛えた短期記憶の埃をふるい落として挑んでいるんですが、もはや英語にすら聴こえない単語を片っ端から覚えるのは留学生なかなかきついっすね。semimembranosusってなんか恐竜の名前みたいだよねぇ、そういえばPixarのGood Dinosourもうすぐ公開だねぇ、楽しみだねぇ、ぐらいの会話が私たちの限界です。

でも暗記して定期テストに備えればいいだけなので楽な授業としての評判なんですが、エッセイの課題が一回だけ出て、それがなんと『自分で新しい生き物を考えて、習った言葉を使って説明してみましょう』という、小学校みたいな宿題なんですよ。しかも絵付きの。それに使うべき専門用語はすでに紙に書いてあって、それを多少文法的に崩壊していようが捩じ込めばそれでいいという、芸術学生に大変フレンドリーなクラスです。私はウサギ人間を適当に描いたんですが、Medial LineとかDorsalだとか使い方のよく分からない単語を消化するためにあっちこっちに追加で体毛を生やして説明を増やしたらかなり気持ちの悪いバランスの生き物になってました、が、点数取れたから良いんです。

あと今年はー、Disney Feature(本名長くて忘れました)というクラス取ってます。これは歴代のディズニー映画を観ながらWalt Disney の半生とスタジオの歴史を考察するといったすっごいカルアーツらしいクラスなのですが、3時間の授業時間の中で、大抵一回一本、長編も普通に最初から最後まで全部観るんですよ。しかも学内で一番立派なシアターで上映なんで、これが水曜の朝イチのクラスじゃなかったら最高に贅沢な鑑賞会なんですがね。いつもフカフカの席でたっぷり一時間以上睡眠とって終ってます… でも長編は白雪姫からほぼ全部観てましたが、戦争前後に作られた短編などは名前すら知らないものも多くて、あのディズニーでもお金足りなくて短編作ってたりしてた時期があったんですよねぇ。勉強になります。


・・・すみません、なんだか今回は授業料払ってくれている親に顔向けできないような話ばかりだったんですが、でも実はこんなに緩かったりもするから意外と大丈夫だよ!と、留学したいけど英語が不安な誰かの背中を少しでも押せたらという一心でさらけ出してます。

しかし全て寝ながらやり過ごしているわけではないんですよ!

”Refugee Narrative”という授業を去年の春学期に取って、訳すと”難民の物語”でしょうか。 初めは単位を補うために一番課題が楽そうなのを適当に選んだだけだったんですけど、毎回出される課題図書やドキュメンタリーを観るうちに、留学に来ている自分の境遇と相まって、生まれた国を離れて違う文化圏で生活するという事について真剣に考えるようになっていました。こればかりは肌で体感するしか知りようのない感覚ですよね。それだけに人によって感じるものも三者三様で、たとえ同じ日本人の外見だったとしても、日本である程度の期間を過ごした上で渡米してきた人と、日本人の両親のもとでアメリカに生まれ育った人と、生まれは日本だけど幼少時代は他国を転々として今はアメリカにいる人では、アイデンティティも国境の価値観も全然違うんですよね。

同じ血を分かつ人の間でもそれだけ違いがあるわけで、そして国の数だけその違いがかけ算されるのだから、アイデンティティや人種問題をおしなべて語ろうとするのは意味がないわけで、おそらく教授は自身がアイルランド移民でもあったからそれをよく知っていたんでしょう、いつも授業の論点は難民問題を引き起こす戦争云々というより、他国に移っていった彼らがどのようにその後生きていくのかという個人個人の物語に置かれていていました。そしてファイナルプロジェクトは各自身近な人にインタビューを行うというものだったんですが、難民でなくとも移民としてこの国に来た人を探して話を聞くということで、私も自分のメンターの先生にお話を伺いました。イランに生まれながらも革命のせいで学生時代はイギリスで過ごし、そこでアーティストとしての地位を確立したのち今はアメリカで教鞭も取っているという、ボーダーレスを体現したような彼女のお話は今でも深く印象に残っています。そんな人たちが、私には想像すらできないような道を歩いて来た人たちが、混じり合ったり固まり合ったりしながらも共存して一つの国として成り立ってるんだからアメリカって不思議だよなぁと、結局の感想はいつもそこに行き着くのですけれど。


技術を上げなきゃ、カッコ良くしなきゃとばかり絵を描いているとつい怠りがちなテーマの模索も、クリスタを通してもしっかり続けていきたいものです。


本日はこれくらいで、ではまた!

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